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谷岡学園の3つの高校で入学式が行われました。

4月7日(月)、谷岡学園の3つの高校で入学式が執り行われました。ここでは大阪商業大学高等学校、大阪緑涼高等学校で述べられた谷岡一郎理事長の式辞をご紹介します。

◆大阪商業大学高等学校
今、大谷翔平選手がメジャーリーグでずいぶん活躍していますが、彼の前にもう一人活躍していたのが、イチロー選手。彼がインタビューに答えて言った言葉があります。「今日の私は昨日の私よりもちょっとだけでも前へ進んだ人間であり、そして明日の私は今日の私よりもちょっとでも、ほんのちょっとでいい、プラスアルファを持った人間でありたい」。このように述べ、そして「人間というのはどんな偉業を成し遂げた人間でも一朝一夕にいきなりそうなったわけではないんだ。一日一日の積み重ね、それ以外のことは私には決してできません」、このように言っていました。さらに引退する時に「もし野球の世界に、プロ野球の選手になっていなかったらあなたはどんな人生を送ったと思いますか」と聞かれたイチロー選手はこう答えました。「おそらくどこかで草野球をし、そんな中でも一歩一歩前に進もうとしていたに違いありません」。ここにおいては『プロセス』というものを大切にし、そして決して成功するとは限らない、でも何かに向かってチャレンジを続けることが重要なんだということです。もちろん全員がイチロー選手のように成功するとは限りませんが、自分の中で満足のいく努力があり、『プロセス』があれば、私はそれでいいと考えています。
どんなことでも首を突っ込んでみよう、という意識を持ってくれる人になってほしいと思います。ファッションや髪形で羽目を外し目立つ人は私は決して嫌いではないですが、今後は他人の持っていない知識、きらめき、そして何よりも人間性で目立つ人間になっていただきたい。

◆大阪緑涼高等学校
天候が不安だったり寒い日が続いたり、世の中にいっぱい悪いことが起こったりする不確定な世の中になっています。でもこういう世の中において、「朝の来ない夜はないし、春の来ない冬もないんだ」と私はいつも考えています。建学の理念「世に役立つ人物の養成」の4本の柱の前半の2つ「思いやりと礼節」「基礎的実学」は、人間がこの世の中を生きていくうえでの基本であると考えています。そして後半の2つ「柔軟な思考力」と「楽しい生き方」はそれを応用し、世の中でリーダーシップを発揮していくために必要な素養で、特に後半の2つが日本人には一番欠けているのではないかと考えています。頭の中を知識でいっぱいにしているけれども、全く応用が利かず、別の分野との組み合わせもできない、考える力がない、そういう人たちがずいぶん世の中にいるな、というのが正直なところです。
私の大好きな言葉の1つ「やるかやらんか迷ったらやる」。これから何回も聞くことになるでしょう。でも私が言っている「やるかやらんか」というのは勉強のこととか大きな目標のことだけを言っているのではありません。普段の生活において小さいことでももし迷っている自分を発見したら今日から自分の背中を押して、やるほうを採ってください。それを3年間続ければ、皆さんは自分でもびっくりするほど実力が伸びます。いっぱいあればいっぱい失敗します。それでいいんです。失敗すればするほど皆さんの顔は良くなると考えてください。但し、失敗を放っておいたらだめですよ。何で失敗したか、そして次はどうしよう、を考える。1年間失敗しなかった人は反省してください。挑戦が足りません。この学校はいろんなことに首を突っ込みいっぱい失敗し、そんな中から自分の行く方向性、自分の生き方を見つけ出す、そういう高校だと考えてください。