大阪商業大学、神戸芸術工科大学で入学式が開催されました。
4月2日に大阪商業大学、4月3日に神戸芸術工科大学でそれぞれ入学式が開催されました。谷岡理事長は大阪商業大学では学長として式辞を、そして神戸芸術工科大学では祝辞を述べられました。
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大阪商業大学では、「この世の中へ出ていく前の最後の仕上げ、皆さんこれからどうやって生きていくのか、どんな哲学を持って生きていくのか、その最後の訓練の場が、この大学4年間だと考えてください。予期せぬ出来事、人的もしくは自然の災害はまだまだ数多く皆さんが経験することになるでしょう。そのたびに皆さんは過去には例のない決断をしなければならなくなるかもしれません。過去に例のない事案に遭遇したとき、皆さんは自分で決断できるか、これが大阪商業大学の卒業生であるかないかを決める1つのキーワードだと考えてください。どんなに知識があり、そしてそれを頭の中で咀嚼しこれが正しい答えだなとわかっても、決断できなければ何の意味もありません。世の中へ出て、何らかの役に立ってほしい、家族の中でも小さな組織でも全然かまいません。でもやはり私はリーダーになるんだという気持ち、まずその気持ちからスタートしてほしいと思います」と述べられ、建学の理念『世に役立つ人物の養成』を現代風に解釈した4本の柱について、1つ1つ説明されました。
またご列席の保護者の方に「若い学生たちは、2年生3年生4年生となるにつれ、どこかで自分の人生について大きな決断をするはずです。その際、相談を受けるかもしれません。皆さんにお願いしたいのは『それはあなたが決めなさい。あなたの人生なんだから』と言って、背中を押してやってほしいんです」とお話しになりました。
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神戸芸術工科大学では「初代学長の吉武𣳾水先生が学長になられ、基本的なコンセプトを作られた時に、『デザインというのは、見栄えのいいものを作ればそれでいいというものでは全然ないんです。皆さんが座っている椅子1つにしても、素材が何であり、どんな座り心地があり、何年持ち、そしてそれが廃棄された後はどのような道を辿っていくのか、すべてがデザインなんです。私が言うこの大学で実現したいデザインは、“こと”のデザイン、プロセスのデザインなんです』ということを何度も私に仰いました。皆さんは学園生活、大学生活というものをこれから自分のライフサイクルの中で同じくデザインしていかなければなりませんし、またいろいろな作品を通して世の中にいろいろなものを発信していく、その時に“こと”のデザインという言葉をぜひ頭に思い浮かべていただきたいと思います」とお話しになりました。
続けて「神戸芸術工科大学という大学を作るときに、学校のロゴマークといったものが欲しいなという話があったんです。そのときに吉武先生がこう仰ったんです。『枠組みだけ“プラス”、トンボ*と言ってますが、そのトンボだけで枠は空けておこうじゃないか、そしてその中は学生たちの作品で満たしていこうではないか』と仰ったのです。どうか皆さん、初代学長・吉武先生の想いを酌み、トンボの4隅のスペースを素晴らしいデザイン、素晴らしい作品、素晴らしい考え方で満たしていっていただきたい、そしてそれを世の中にどんどん打ち出していっていただきたいと考えています」と結ばれました。
トンボ*:印刷物の断裁位置や、印刷時に各インクの刷り位置をあわせるための目印となるマーク