谷岡学園の3高校で入学式が行われました。
4月6日(土)・8日(月)、谷岡学園の3つの高校で入学式が執り行われました。ここでは大阪商業大学高等学校、大阪緑涼高等学校で述べられた谷岡一郎理事長の式辞をご紹介します。
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■大阪商業大学高等学校
皆さんは自由にものが言え、多くの本を読み、そして比較的安全で衛生状態もよく長生きのできる国で高等教育を学べる、という状況です。これは大変ラッキーなことなんです。世界中の多くの国では1週間に1度もお風呂に入れない人がいっぱいいます。一生のうちに1冊の本が読めるか読めないかという環境の人たち、また地震に遭われた方々、戦争に遭われた方々、いろいろと苦しんでいる人たちがいます。現在の境遇がラッキーであればあるほど、皆さんには将来に向かって大きな責任があるんだと考えてください。建学の理念「世の役立つ人物の養成」の「世に役立つ」という言葉においては、自分の境遇に従って、できるだけ世の中にお返しをしなければいけないという気持ちが詰まっています。だから学ぶことができる皆さんは、それだけ世の中に多く返すんだという気持ちを常に持っていてほしいと思います。
それと皆さんにお願いしたいことは、「スマホやコンピュータに頼らず、自分の頭で考える癖をつける」ということです。私なんか失敗ばっかりしていましたが、そのたびに必ず「それをどこが悪かったんだろう、そして次はどうすればいいかな」というふうに考える癖を持っていました。失敗するたびに私がつぶやいていた言葉、それは「最後に笑う者の勝ち」。失敗した時は最後だと思わなければいいんです。「次頑張るぞ、そして最後には必ず笑っているぞ」、そういう気持ちを持ち続けてほしいと思います。
■大阪緑涼高等学校
桜の花がきれいですが、桜の花はたった一週間ぐらいしか見栄えのいい花にはなりません。1年の内の1週間、50分の1ぐらいです。でもそのために厳しい夏を越え、寒い冬にも栄養分を蓄え、ある時一斉に花を咲かせます。おくての花もいるでしょうし、早咲きの花もいるでしょう。ちょっと変わった花もあるかもしれません。でも必ず花を咲かせます。1週間のために長い地道な努力があって初めて、桜の花はあれだけみんなが愛する花となっているわけです。高校時代というのは楽しい時期ですし、勉強も大変です。皆さんに言っておきたいのは、皆さんはまだ自分がどこまで伸びるか全然わかっていないです。今からの勉強でびっくりするほど実力がつくんです。そういう地道なコツコツとした努力、それがあるとき花を一斉に開くことがあるんだと、そういうふうに考えてください。
そしてもう1つ言っておきたいこと。それは「やるかやらんか迷ったら、やるほうをとってください」。明日お花見に行こうかな、と思って朝起きたら雨が降っていた。行こうかなやめようかな…、もし迷っている自分を発見したら、やるほうをとってください。それをずっと続けると、勉強や苦しいことにチャレンジすることがだんだん楽しくなってきます。やるかやらんか迷ったとき、これから皆さんは何回もそういう場面に遭うはずです。そういう時はぜひ私の言葉を思い出してください。続けることで、素晴らしい高校生活を送り、またその先長い人生において大きな花を咲かせるものと確信しています。