理事長だより

理事長だより

大阪商業大学、神戸芸術工科大学で入学式が開催されました。

2023年4月5日

 4月3日に大阪商業大学、4月4日に神戸芸術工科大学でそれぞれ入学式が開催されました。両キャンパスとも満開の桜が新入生を歓迎する中で、谷岡理事長は大阪商業大学では学長として式辞を、そして神戸芸術工科大学では祝辞を述べられました。
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 大阪商業大学では、はじめに「みなさんが4年間で何を学び、世の中へ出ていくときにどんな人間になっているか、どれだけ自分の潜在能力を掘り起こし、そして社会へ出て役に立つ人間として活躍できるか、これが大学の本当の価値です。みなさんは常にこれからの世の中のリーダーになっていただきたい。どんな小さな組織でもいい、リーダーになるんだという気構えだけは決してこれから忘れないようにしてほしいし、そのためにはこれからチャレンジを続けてほしいと考えています」と述べられました。
 続けて「世の役立つ人物の養成」を現代風の解釈としての4つの柱について解説されました。
 「1つめは『思いやりと礼節』。皆さんが学ぶ知識はこれから世の中で大きな武器となります。武器を扱う人間は倫理観がなければなりません。頭の中を知識やいろいろなものでいっぱいにしても電車の中でお年寄りや病人の人に席を譲ることができないようなら、人間として失格です。まず大学の知識を学ぶ前提として、人間として立派であることです。2つめは『基礎的実学』。今の世の中、スマホや携帯やコンピュータやいろいろなもので調べるとなんでもわかります。でもそれはみなさんが生きた学問として知識を得ていない。自分の頭で考えることができない人というのは、世の中へ出ても決して危機の時にリーダーになり得る人間ではありません。3つ目は『柔軟な思考力』。いくつかの知識をうまく融合し、それを応用し、世の中で本当に問題を解決するときに、どういうアプローチが適切なのか、どういう答がありうるのか、世の中において皆さんは答を出すことを求められます。自分の頭で考え決断する。何回でもチャレンジしてください。チャレンジを続けると何回でも失敗するでしょう。でもこの大学は失敗を奨励いたします。4つ目は『楽しい生き方』。どんなチャレンジをするにしても皆さんはそれに前向きにポジティブに取り組んでほしいという意味です。苦しいことはいっぱいありますが、苦しい中でチャレンジ自体を楽しむ、プロセスを楽しむ。失敗してもそのプロセス自体が自分の血となり肉となるのだということがわかれば、楽しいチャレンジに変えることができるのです」。
 そして最後に「『やるかやらんか迷ったらやる』。迷っている自分を発見したら今日から必ずやるほうを採ってください。やり続ける4年間であることを心から念願しております」との言葉で結ばれました。
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 神戸芸術工科大学では、「神戸という地は大変個性的な街であり、平安時代よりずっと海外のもの、人、情報が入ってくる港をもつ都市でもありました。最も国際的に洗練された都市として、皆さんもぜひ『国際化』を1つのキーワードとして持ち続けていただきたいと考えています。『国際化』の本当の核は、とかく自分の主観でデザインというものを考えがちですが、他の人たちからはどう見えるんだろうかという観点、この相対的な視点というのがものすごく重要になります。常に『私があの人の立場だったらどう見るか、他の人はどう見ているか』、主観的には『これが優れている』と思ったときでも、常にいろいろな人の意見を聞きながらそれを自分の中で消化し、そして真の国際人、国際的デザイナーとして世の中に出て行っていただきたい。そして人々をどんどん幸せにするデザインに邁進していただくことを心より祈念します」と述べられました。