理事長だより

理事長だより

神戸芸術工科大学、大阪商業大学で卒業式が開催されました。

2023年3月28日

 3月18日(土)に神戸芸術工科大学、同25日(土)に大阪商業大学の卒業式(学位記授与式)が執り行われました。谷岡理事長は、神戸芸術工科大学で祝辞を、そして大阪商業大学では学長として式辞を述べられました。
 
 神戸芸術工科大学では、「今世の中では成長分野としてデジタルトランスフォーメーションであるとか、理工系、文理融合、いろんなことが言われておりますが、私は一番成長する分野は実はデザイン工学、芸術工学ではないか、というふうにひそかに考えております。科学と芸術の融合というものはみんなの力を引き出し、世の中を明るくし、そして社会を新たな段階に進化させていく大きな力になると信じているからでありますし、それがこの大学を開学したときの吉武𣳾水初代学長先生の想いでもあったからです。みなさんはこれから世の中へ出て、世の中をちょっとでもみんなの住みやすい場所にしていきたい、楽しい場所にしていきたい、そういったことを進めていただけるものと考えております。皆さんの世の中でのご活躍をお祈りしております」と贈られました。

 大阪商業大学では、「皆さんは、常にリーダーシップをとるんだという意識を忘れないようにしていただきたい。『ワールド・ベースボール・クラシック』におけるリーダーシップを考えてみると、栗山監督はどちらかといえば自由放任主義に近いリーダーシップスタイル、みんなに自由にやらせていいところを伸ばし悪いところはそれとなく直してあげながら、みんなが自分で考え自分で力を発揮するというような持っていき方をするタイプのリーダーです。「声出し」と呼ばれる毎朝一人の選手を指名し全体に檄を飛ばす役割を順番にいろんな人に回していった。どんな檄を飛ばせばいいのかな、と考えさせることで自分が一歩前進することになるわけです。ああやってチームのムードを盛り上げ、まとめ上げていく。ダルビッシュ選手はどちらかといえば精神的にみんなを落ち着かせる役割を担っていたリーダー。大谷選手は全体を引っ張っていき鼓舞する役割のリーダー。こういった小リーダーたちをうまく使い分けながら、栗山監督は最終的にあのような偉業を成し遂げました。大谷選手を例にとるならば、バントをすべきだというところではバントを、盗塁をすべきだと思ったところでは盗塁をし、自分の頭で考えチームのために一番いいと思ったことを思い切ってやってみる、自分を見せてみんなを引っ張っていくんだというリーダーシップが現れていたわけです。もし失敗していても、みんなは大谷選手を非難しなかったでしょう。それは既にあの中に出来上がっていた人間関係というものがお互いを信頼し合い、自分たちで動ける組織を作り上げていたからでもある、と考えています。皆さんも思い切ってやったことが成功するとは限りません。でも失敗してもいいんです。失敗したときにみんながそれを許してくれるのか、また次の決断に対しみんながついてきてくれるのか、それが皆さんの人間性であり、リーダーシップでもあるわけです。やるかやらんか迷ったらやりなさい。自分の哲学をもち、その哲学を貫き通し、そして誰にも恥じない生き方をこれから続けていただきたい」と述べられました。