理事長だより

理事長だより

系列校対象 大商大オープンキャンパス 学長挨拶

2020年8月18日

2020年8月8日(土)に、系列高校を対象に行われた大阪商業大学オープンキャンパスの冒頭で、谷岡一郎理事長・学長から高校生に向けて送られたメッセージを紹介します。

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はじめに、谷岡学園の建学の理念「世に役立つ人物の育成」について取り上げ、「これからみなさんになってほしいのは、“リーダー”です」と述べられました。
続けて「今までみなさんは高校において、ノリッジ(knowledge)と呼ばれている知識を頭の中にいっぱい貯えてきたと思います。大学に入ってからの4年間で、ウィズダム(wisdom) 、『考える知識』と呼ばれている知識に変えてほしいのです。スマホや携帯電話、コンピュータも含めて検索をすれば、どんなキーワードでもありとあらゆる情報が出てきますが、そういう情報を自分で消化し、要らないものは捨て、ほんとに要るものだけをうまく融合させ身につけた知識が、将来自分がリーダーとして何かの決断をするときに役立つのです」と述べられました。
また、自分で考えることの例として、1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災のときの話を次のようにされました。
「朝5時46分に大きく揺れていろんなものが壊れました。梅田のある病院の院長はそのとき、起きてすぐ着替えて奥さんに『マウンテンバイクを出してくれ』といったんです。院長は芦屋に住んでおられましたから、梅田まではだいぶかかります。しかし『電車はたぶん止まっているだろう。クルマはおそらく道が走れない状態であろう。だが、入院患者たちを見に病院へ戻らなければいけない、こんなとき私はどうするべきか』と考えて、出した結論が、『マウンテンバイクを出してくれ』だったのです。あの状況でどれだけの人が、自分が動くのに一番いいのはマウンテンバイクだとわかったか。そしてそれを行動に移したか。リーダーというのは、自分で考え、前例のないものに答を出さなければいけません。そして答を出した後、今度はそれを決断し、実行に移さなければいけません。それがどんな決断であろうと、人間力のある人間の決断には、みんながついてきます。大阪商業大学での4年間は、そんなリーダーになれるよう、人間力を磨く場であると考えてください」。
最後に「1日1回、スマホや携帯電話をオフにしてください。そして自分で考えてみてください。その中で気になったキーワードをいくつかノートに書いてみてください。そのあとで、自分で調べてみてください。考える力を養うには、自分で考える癖をつけるしかありません。大阪商業大学を目指す皆さんに、ぜひ実践していただきたいことです。
本日は大阪商業大学にようこそお越しくださいました。心から感謝申しあげます」と結ばれました。